2025/10/27
小さな住宅やマンションでも、設計と素材の工夫で驚くほど広く感じる住まいに。
天井高・視線の抜け・造作家具の工夫を建築のプロが開設します。
INDEX ——————————————————————————————–
1.天井の高さをうまく活かす
2.視線の抜けをつくる
3.造作家具で片付く空間に
4.素材と色で明るさと奥行きをプラス
5.暮らしのシーンをイメージして
———————————————————————————-VRILLO
COLUMN
都市部の住宅やマンションでは「部屋が狭くて窮屈」と感じながら暮らしている方も多いと思います。
けれども、ちょっとした工夫で、今の住まいをもっと広々と感じられる空間に変えることができるのをご存知でしょうか?
私たちヴィリオは、飲食店や商業施設で培った「体験をデザインする」視点を活かし、住宅リノベーションでも空間の可能性を最大限に引き出すことを大切にしています。今回は“小さな空間を広く見せる”ための具体的な工夫を、暮らしに寄り添う視点でご紹介します。
1.天井の高さをうまく活かす
お部屋の印象を大きく左右するのは、床の広さだけではありません。実は「天井の高さ」が空間のゆとりを決める大切な要素です。
例えばマンションのリノベーションで、天井の下地を取り払って梁を見せると、数十センチでも高さが確保でき、視線が上に抜けて広がりを感じられます。天井の一部を勾配にしたり、段差をあえて設けたりするのも効果的です。単調さがなくなり、同じ広さでも「変化のある空間」として感じられるようになります。
照明の選び方も大きなポイントです。シーリングライトひとつで部屋全体を照らすと、明るさは確保できますが、どうしても天井が低く感じられがちです。代わりにダウンライトを分散させたり、壁際に間接照明を仕込んで天井を柔らかく照らすと。圧迫感が和らぎます。
ちょっとした工夫で、毎日見上げる天井が「低い天井」から「広がりを感じる天井」へと変わり、暮らしの印象がぐっと変わるのです。
2.視線の抜けをつくる
「狭い」と感じる原因のひとつは、視線が途中で止まってしまうことです。
壁や家具で仕切られた空間は機能的ですが、どうしても閉塞感を与えます。
そこで大切なのが「視線の抜け」を意識することです。室内窓やスリット壁を設ければ、隣の空間とゆるやかにつながり、視線が奥へと通ります。結果として実際以上に広がりを感じられるのです。
例えば、リビングとダイニングをガラス建具で仕切れば、光を共有しながら空間を分けることができます。型板ガラスや格子を組み合わせれば、プライバシーを守りつつ抜け感を演出することも可能です。
また、視線の抜けは風通しにもつながります。窓から入った風が室内を抜けると、体感的にも爽やかさが増し、心理的な開放感が生まれます。コンパクトな住まいこそ「光と風の通り道」を意識することが、心地よさと広がりを両立する鍵になります。
3.造作家具で片付く空間に
小さな住まいで一番困るのが「収納不足」ではないでしょうか。
物が片付かず床に出しっぱなしになると、どうしても空間は狭く見えてしまいます。
そこでおすすめなのが、空間に合わせて設計する造作家具です。壁面いっぱいの収納をつくれば床を広く見せられますし、ベンチ収納なら座る場所と収納を兼ねられて一石二鳥です。キッチンカウンター下を収納にしたり、窓下を本棚にしたりと、暮らし方に合わせて工夫できます。
また、会談したや梁下など「使いにくい場所」こそ収納にしてしまうと、無駄のないすっきりとした空間になります。さらに「見せる収納」と「隠す収納」をバランスよく組み合わせることで、生活感を抑えつつお気に入りの物を楽しめる空間に。
家具を単なる“置くもの”ではなく、“空間をデザインする要素”として考えることが、小さな家を広く見せる大きなポイントです。
4.素材と色で明るさと奥行きをプラス
お部屋を広く見せるためには、素材や色の選び方も欠かせません。
壁や天井を白や淡い色にすることで光を反射し、空間全体が明るくなります。暗い色を選ぶと落ち着いた雰囲気になりますが、狭い部屋では圧迫感につながることもあるので注意が必要です。
床材には無垢フローリングなど自然素材を選ぶと、温かみを感じながらも開放的な印象になります。幅広タイプを使えば横方向への広がりを強調でき、木目の方向を視線の流れに合わせて張ると奥行きも感じられます。
自然素材は、経年劣化によって味わいが増すのも魅力です。暮らすほどに質感が深まり、「広がり」だけでなく「心地よさ」も積み重なっていきます。
5.暮らしのシーンをイメージして
小さな住まいのリノベーションでは、ただ広く見せるだけでなく「どんな暮らしをしたいか」を考えることが大切です。
例えば…
- 在宅ワークが多い方なら、窓際に造作デスクを設けて視線の抜けを意識することで、仕事中も開放感が得られます。
- 子育て世代なら、リビングの一角に造作ベンチ収納を設けることで、おもちゃの片付けもラクに。遊ぶスペースも広がります。
- 趣味のスペースをつくりたい方は、壁面収納で物を整理して床を広く使えば、趣味を楽しむ場が無理なく確保できます。
「広さ」は単なる面積ではなく、暮らしのシーンごとに工夫することで生まれてくるのです。
まとめ
小さな住宅やマンションでも、天井や照明の工夫、視線の抜け、造作家具、素材や色の選び方を工夫することで、驚くほど広がりを感じる住まいに変えることができます。
ヴィリオでは、お客様のライフスタイルに合わせて「狭さを個性に変える」リノベーションをご提案しています。
面積にとらわれず、設計の力で暮らしに広がりを。そんな住まいづくりを一緒に叶えてみませんか?
\ 最後まで読んでいただき、ありがとうございました◎ /
この記事が、あなたのリノベーションプランや、暮らしのヒントになりますように。
限られたスペースでも開放的な空間を手に入れたい方はぜひお気軽にご相談ください。
筆者PROFILE✍———————————————————————————————————————————————————-
筆者PROFILE✍——————————————
株式会社ヴィリオ(VRILLO CO., LTD.)
代表取締役 寺井 智彦
1980年北九州市戸畑区出身。
2012年1月にVRILLOを開業し、
現在は店舗、住空間の両方においてデザインから施工までの
全てを自社管理で行いながら美しさと機能の両方を
備えた五感を刺激する空間づくりを高い美意識のもとに活動。
手掛ける業態は様々でカフェ、飲食店、ブティック、
住宅、オフィス、ホテル、ブライダルなど
あらゆる業態の空間を設計デザインし自社施工する。
近年では、ミシュラン掲載店の「Bekk」、世界中から注目される
「照寿司」のリニューアルを立て続けに成功させる。
知名度高く注目の飲食店や美容室、クリニックからのオファーを
日々頂き、全国各地を飛び回る日々を送っている。
株式会社ヴィリオ(VRILLO CO., LTD.)
代表取締役 寺井 智彦
1980年北九州市戸畑区出身。
2012年1月にVRILLOを開業し、
現在は店舗、住空間の両方において
デザインから施工までの全てを自社管理で
行いながら美しさと機能の両方を備えた
五感を刺激する空間づくりを
高い美意識のもとに活動。
手掛ける業態は様々で
カフェ、飲食店、ブティック、
住宅、オフィス、ホテル、ブライダルなど
あらゆる業態の空間を
設計デザインし自社施工する。
近年では、ミシュラン掲載店の「Bekk」、
世界中から注目される「照寿司」の
リニューアルを立て続けに成功させる。
知名度高く注目の飲食店や美容室、
クリニックからのオファーを日々頂き、
全国各地を飛び回る日々を送っている。

★OFFICIAL Instagram →https://www.instagram.com/vrillo_official/
★代表の日常 Instagram →https://www.instagram.com/vrillo7/
★日々のグルメ Instagram →https://www.instagram.com/nori101/
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